サノフィは11月2日、9月27日に製造販売承認を取得したポンペ病治療薬「ネクスビアザイム点滴静注用100mg」(一般名:アバルグルコシダーゼ アルファ)についてメディア向けセミナーを開催した。
ポンペ病は、運動機能や呼吸機能の低下をもたらす進行性の筋疾患。世界での患者数は5万人と推定されている。乳児型と遅発型に分類され、乳児型は無治療の場合、生後1年以内に死に至るとされている。
セミナーでネクスビアザイム開発の背景について説明した岩屋孝彦社長によると、2007年の酵素補充療法製剤「マイオザイム」(一般名:アルグルコシダーゼ アルファ)承認でポンペ病の臨床経過は著明に変化。乳児型の患者は生存可能となり、遅発型の患者はQOLが向上したものの、「進行性の筋機能低下・呼吸機能低下は完全に抑制できない」という課題が残った。
ネクスビアザイムは酵素補充療法の有用性を可能な限り増大させるため、アルグルコシダーゼ アルファを改変、細胞内への取り込みを高めた新薬で、遅発型患者を対象とした国際共同第3相検証試験でマイオザイムに対する非劣性が確認されたという。サノフィは「ネクスビアザイムは乳児型・遅発型ポンペ病の新たな標準治療となる可能性がある」としている。
「ネクスビアザイム」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】ポンペ病 【用法・用量】遅発型の患者には1回体重1kgあたり20mgを、乳児型の患者には1回体重1kgあたり40mgを隔週点滴静脈内投与する