著: | 髙貝 就(浜松医科大学 児童青年期精神医学講座 特任教授) |
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判型: | B6変型判 |
頁数: | 112頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2018年09月02日 |
ISBN: | 978-4-7849-4303-6 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
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そんな悩みに児童青年期精神医学に長年携わるエキスパートが答えます!
前半では現代における小児発達障害の概論を対話形式で解説し、後半は代表的な疾患の模擬症例を漫画で提示し、その疾患の概説、診断や専門医への紹介のポイントを解説。専門医での治療とその症例をご紹介しています。
研修医やプライマリ・ケア医、小児科医をはじめ、学校医、看護師など日々小児の診療にあたる医療従事者の方々に「発達障害について知っておいてほしいこと」まとめてみました。
はじめに
Minimum requirementsという概念は,臨床の実践場面では明確に定義することが案外難しいように思います。専門性の高い事柄について,聞かれる側は気軽に相談してくれたらよいと思っていても,尋ねる側は「こんなことくらいで聞きに来るな!」と言われるのではないかと躊躇していた,ということも珍しくありません。自分で調べて考える姿勢が大切なことは間違いありませんが,カバーしきれない問題を一人で抱え込み過ぎてしまうことと較べれば,「聞くは一時の恥」。何でも聞いてみるほうがよいと思います。
ただ,環境によっては気軽に相談できる人が身近にいない場合もあるでしょう。本書は,児童の発達障害やそれに関連する疾患について,普段は専門とされていない医師の方々を対象に,疾患の概要や紹介のタイミングについてお伝えできたらと思い書かせていただきました。
本書の前半では児童の発達障害の総論について指導医と若手医師の会話形式で解説しています。後半では代表的な疾患ごとに模擬症例を提示して解説しています。休憩時間に医局のラウンジで,コーヒーを飲みながら研修医や他科の先生と気軽に話し合っている情景をイメージし,なるべく平易に記載するように努めました。また,医師だけではなく,子どもの精神保健に携わるさまざまな専門職の方々にもご一読いただければ幸いです。