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これだけ!知っておきたいこどもの感染症10×3【電子版付】

この10×3=30項目を理解すれば、一般小児診療で遭遇する感染症には、どうにか一人で“ほぼ”対応できます!

定価:3,300円
(本体3,000円+税)

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監修: 笠井正志(兵庫県立こども病院感染症科科長)
著: 山本啓央(静岡県立こども病院総合診療科)
著: 加藤宏樹(国立成育医療研究センター手術集中治療部)
判型: B6変型判
頁数: 208頁
装丁: カラー
発行日: 2018年04月30日
ISBN: 978-4-7849-4646-4
版数: 第1版
付録: 電子版シリアル付き

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  • 最低限知っておきたいこどもの感染症治療について、「Focus(感染巣)」「Microbes(病原微生物)」「Antibiotics(抗菌薬)」それぞれ10項目×3=30項目にまとめました。それぞれを別個にでなく、つながりをもって学ぶことにより、こどもの感染症診療が得意科目になります!
  • 小児感染症の勉強はどこから手を付ければいいか迷うという方の、はじめの一歩としておすすめです。
  • 「未来に使える抗菌薬を残す」という透徹した考えに貫かれた一冊
診療科: 小児科 小児科

目次

総 論
1.感染症診療 10の原則
2.小児感染症診療の特殊性


各 論
「Focus」
1.細菌性髄膜炎
2.敗血症
3.急性中耳炎
4.咽頭炎,咽後膿瘍,扁桃周囲膿瘍
5.肺炎
6.急性胃腸炎
7.尿路感染症
8.皮膚軟部組織感染症,骨髄炎,関節炎
9.カテーテル関連血流感染(CRBSI)
10.新生児感染症

「Microbes」
1.ブドウ球菌
2.レンサ球菌
3.肺炎球菌
4.百日咳
5.大腸菌
6.インフルエンザ菌
7.サルモネラ
8.カンピロバクター
9.緑膿菌
10.マイコプラズマ

「Antibiotics」
1.ABPC,ABPC/SBT
2.PIPC,PIPC/TAZ
3.CEZ
4.CMZ
5.CTX,CTRX
6.MEPM
7.VCM
8.GM
9.CAM,AZM
10.ST合剤


コラム アンチバイオグラム
    薬剤感受性試験

資料  抗菌薬投与量一覧/おもな相互作用一覧

索引

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序文

はじめまして,著者の山本啓央と申します。本書を手に取って頂きありがとうございます。
本書は,
•感染症患者に苦手意識のある若手小児科医
•小児患者に苦手意識のある若手救急医/家庭医
•小児科ローテート中の初期研修医や小児科に興味のある医学生
を主な対象としています。
もちろん,ベテランの先生の知識の整理や,小児科医と一緒に働いている医療従事者の方の学習にも使って頂ける内容となっています。

本書の10×3=30項目を十分に理解して頂ければ,一般小児診療で遭遇する感染症には,どうにか一人で“ほぼ”対応できます。

外来受診する小児患者のほとんどは感染症の患者です。しかし,わが国で小児感染症を体系的に学ぶ機会はほぼ皆無に等しく,それぞれの地域や施設における上級医のいわゆる“秘伝の処方”を習得するしかないのが現状ではないでしょうか。

感染症診療において,もちろん患者さんは「私は尿路感染症です」と名札をつけてくれてはいません。病歴,身体所見から感染巣を探り,そこから(ウイルスも含む)病原微生物を予測し,細菌感染症であれば抗菌薬による治療を行う必要があります。
そのため,感染症を学ぶ上で大切なことは「感染巣(focus)ごとの病態生理の知識」,「感染症を引き起こす病原微生物(microbes)の知識」,「感染症治療に用いる抗菌薬(antibiotics)の知識」を有機的に結びつけることです。それぞれをしっかり学んだとしても,それらの知識が有機的に結びついていなければ,実臨床には活かすことができず,「十分に勉強したはずなのに患者さんの診かたがわからない」という漠然とした感染症診療への苦手意識を生みかねません。
本書ではこれだけ知っていれば大丈夫という,focus,microbes,antibioticsのそれぞれ10項目,合計30項目を厳選し,それぞれを有機的に結びつけることを徹底的に意識しました。

また,「感染症診療の基本は理解しているつもりだけど,小児患者はちょっと…」という方のためにも,小児における特殊性を意識した記載になっています。本文中に繰り返し出てきますが,小児も成人も“基本”は同じです。“基本”は同じですが,気をつけなければならない特殊性がまったくないわけではありませんので,読み進めながら小児の特殊性をときどき意識して頂けると,より理解が深まるかと思います。

本書を読めば,どうにか一人で“ほぼ”対応できると書きましたが,“ほぼ”としたのは,理解しやすくするために,記載を簡略化している部分も少なくないためです。読んでいて,「あれっ?」と思ったことがあれば,成書を開いてみて下さい。また,それぞれの項目の最後にfurther readingとして,理解に役立つガイドラインや総説などを付記しています。もう少し知識を深めたいと思った方はぜひご一読下さい。
また本書にまったく記載のないfocus,microbes,antibioticsに遭遇した時も学びを深めるチャンスと思って,ぜひ成書を開いて下さい。万が一,それが緊急性のある場面(ほぼないとは思いますが)であれば,迷わず専門家や上級医に相談して下さい。そしてその後にゆっくり成書で勉強しましょう。
本書を幹に,それぞれの患者さんから学んだ知識を枝葉として,小児感染症診療の力をつけていって下さい。

本書の出版にあたりまして,貴重な機会を頂きました日本医事新報社,また私の勝手な注文にいつも快くご対応頂きました編集部の皆様にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。

本書が小児感染症診療の質の底上げに役立ち,感染症に罹患してしまったこどもの最善の利益につながることを祈っております。

〈謝 辞〉
本書のグラム染色写真は,ホームページ「グラム染色」http://gram-stain.comに掲載されたものを,許可を得て拝借しました。掲載をご快諾下さいました大阪急性期・総合医療センター 総合内科 麻岡大裕先生に深謝申し上げます。

2018年3月 山本啓央

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レビュー

小児感染症診療で必ず押さえておくべき基準を簡潔に示してくれた入門書

上村克徳(兵庫県立こども病院 救急総合診療科 部長)
成果をあげる人とあげない人の差は,才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と,基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である
     〜P. F. ドラッカー,『非営利組織の経営』(ダイヤモンド社,2007年)より

診療のすべての領域において求められる基本姿勢は,基準になる知識・スキル(標準的診療あるいは診療の原則と言い換えることができるでしょう)の適用を習慣化し,疾患の全体像(患者背景と生理学的状態,想起する疾患と漏れのない鑑別診断)を迅速に把握することです。かつては「CRP高値なので血液培養を採取してCTX投与。診断名を細菌感染症として治療を開始する」や「肺炎にはCTXかABPC/SBT投与を第一選択にするよう医局で教わった」などがごく一般的でしたが,最近の小児感染症教育の普及によってそれらが決して標準的診療ではないことの理解が進んでいます。それぞれの診療体制や地域の特性など,感染症診療におけるさまざまな工夫を否定するわけではありませんが,診療の原則を知らないまま「○○のやり方」にこだわることは,工夫ではなく単なる邪道だと私は考えます。

本書は小児感染症診療総論と各論10項目×3=30項目がコンパクトにまとまっており,小児感染症診療で必ず押さえておくべき基準を簡潔に示してくれた入門書です。著者の山本啓央先生・加藤宏樹先生とはかつて神戸市立医療センター中央市民病院小児科でともに働き,監修者の笠井正志先生からは小児感染症の基本を学んだ仲間ですが,市中総合病院小児科(基礎疾患のないこどもの市中肺炎や尿路感染症で感染症診療を学びます)と小児医療専門施設救急集中治療部門(複雑な背景疾患をもったこどもの市中感染症,院内感染症,集中治療を要する重症感染症の頻度が高くなります)の双方でトレーニングを受けた彼らだからこそ,基準になる知識・スキルの重要性,すなわちプライマリケア・病院小児科・集中治療など診療背景は異なっても診療の原則は同じだということをよく理解しています。成書(小児感染症であればLongやMoffet)やUpToDate®などの電子教科書などと比較すると含有される情報量は少ないですが,「いくつかの習慣的姿勢と基礎的な方法」のスタディーガイドとして,適切な著者によって執筆された入門書の意義は大きいと思います。本書を小児感染症診療の原則,全体像を学ぼうと考えているすべての方に推薦致します。

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