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自己免疫性膵炎の症状,診断,治療の最近の知見

No.5099 (2022年01月15日発行) P.52

鈴木光幸 (順天堂大学小児科准教授)

西野隆義 (東京女子医科大学附属八千代医療センター 内視鏡科教授)

登録日: 2022-01-13

最終更新日: 2022-01-11

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  • 自己免疫性膵炎の症状,診断,治療について最近の知見を教えて下さい。
    東京女子医科大学附属八千代医療センター・西野隆義先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    鈴木光幸 順天堂大学小児科准教授


    【回答】

    【無症候が多く,臨床診断基準 2018を用いて診断する。ステロイドが標準治療】

    自己免疫性膵炎(以下,本症)の症状は,受診契機からみると症候性は63%であり,無症状は37%です。症候の中では黄疸が最も多く,症候性の49%であり,次いで腹痛が26%です。涙腺・唾液腺炎などの膵外病変の症候(涙腺腫大,唾液腺腫大など)も12%に認められます。黄疸は膵外病変であるIgG4関連硬化性胆管炎に起因することがほとんどです。

    特徴的な画像所見(膵腫大,主膵管の不整狭細像),血清IgG4高値,特徴的な病理学的所見(高度のリンパ球・形質細胞浸潤と線維化,高度のIgG4陽性形質細胞浸潤,花筵状線維化および閉塞性静脈炎),膵外病変(硬化性胆管炎,硬化性涙腺炎・唾液腺炎,後腹膜線維症および腎病変)の有無およびステロイド治療効果を「自己免疫性膵炎臨床診断基準2018」に基づいて診断します1)

    膵腫大は典型例ではびまん性の膵腫大を示します。膵周囲を取り囲むような被膜様構造(capsule- like rim)は非常に特徴的で特異性が高いです。FDG-PETでは膵病変および膵外のIgG4関連病変に集積し,本症を含めたIgG4関連疾患の病態の把握に有用です。

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