彼は今から6年ほど前、22歳の頃に私どものネット依存専門外来を初診した。群馬県から母親に無理やり連れてこられた。かなり痩せており、険しく蒼白な顔をして、まったく落ち着かない状態だった。自宅に引きこもり、昼夜逆転でオンラインゲームを1日16~17時間していた。受診の少し前に、ほぼ飲まず食わずで、120時間続けてゲームをしていたことがあったという。
私は彼に入院を強く勧めた。彼は、「ゲーム制限や禁止する奴は全員殺してやる!」と返してきた。もちろん脅しであるが、それくらいゲームに執着していた。写真はその時に撮ったものである。右手をマウス作動のために長時間酷使した結果生じたガングリオンだと思われた。
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