振り返ると、私は出会いに恵まれ、育てられ、苦しみもあったがその中でも楽しみながら仕事ができた。実力のなかった私は、1つの道をまっすぐと進むことはできなかったが、多くの優れた人たちに支えられ、与えられ、紆余曲折しながらも懸命に進んできた。くじけそうな中にも喜びがあり、多くを学ばせて頂いた。
中学生のときに後輩が突然2人も亡くなり、母も難病となり、医師を志した。免疫学に興味を持ち、基礎医学の先生から臨床医になることを勧められ、九州大学を卒業後、九州大学第一内科に入局した。骨髄移植で使用されはじめたタクロリムスがインスリン分泌不全型糖尿病を発症させることに気づき、研修医ながら日本で初めて報告した。学位は膜型TNF-αの研究で取得したが、大学院のときに国内留学をした岡山大学第二内科にて呼吸器疾患を学び、母校の教室で気管支鏡グループを立ち上げた。大学院修了後は、関連病院で呼吸器疾患や消化器疾患、血液疾患、自己免疫疾患などを担当した。
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