【質問者】
足立 正 鳥取大学医学部脳神経医科学講座 神経病理学分野准教授
【睡眠障害は適切な鑑別の上で,副作用も考慮した対応が必要である】
認知症では睡眠障害の頻度が高く,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)では89%,アルツハイマー型認知症(Alzheimer dementia:AD)では64%に睡眠障害を認めたという報告があります。
DLBでは睡眠障害のレム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder:RBD)が診断基準の中核的特徴に含まれており,認知機能低下前に出現することも多くみられます。RBDはレム睡眠中の筋脱力現象が欠如するために,夢内容を行動する病気です。治療薬としてはクロナゼパムを使用することが多いので,筋弛緩のための転倒や過鎮静によるふらつきに注意が必要です。クロナゼパムが使用できない場合には,メラトニン製剤の使用も有効です。
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