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人は幸せになるために生まれてきたと思える社会をめざして(小澤竹俊)[プラタナス]

No.5117 (2022年05月21日発行) P.3

小澤竹俊 (めぐみ在宅クリニック院長)

登録日: 2022-05-21

最終更新日: 2022-05-18

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  • 今回、ご紹介する事例は、いのちの授業を聞いた小学生の感想文である。私は、31歳からホスピス病棟で働き、37歳より、主に小・中学校でいのちの授業を行ってきた。

    なぜ大切ないのちを傷つけるのか?子どもたちが傷つけるのは、いのちを粗末にしてよいと思っているのではなく、苦しいからである。大切な人であっても、あまりにも苦しみが大きいと、傷つけることがあることを、サッカー・ワールドカップ決勝の試合中、相手選手に頭突きをして退場したジダン選手の事例を紹介しながら話を展開する。

    苦しみは、希望と現実の開きととれば、決していのちの限られた人だけではなく、生きているすべての人が、何かしらの苦しみを抱えている。その上で、苦しみを抱えながらも、人は笑顔を取り戻し、幸せになれるのか?と問う。

    答えは、もちろんYesと伝える。

    なぜならば、人はたとえいのちが限られたとしても、穏やかさを取り戻すことができるからである。それは、決して一部の人が起こす奇跡ではなく、私たち全員が持つ可能性である。

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