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■NEWS 外来医療計画策定GLの見直し議論がスタート、年内取りまとめへ─厚労省検討会

No.5123 (2022年07月02日発行) P.68

登録日: 2022-06-21

最終更新日: 2022-06-21

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厚生労働省の「第8次医療計画等に関する検討会」は615日、「外来医療計画」の策定ガイドライン見直しに向けた議論を開始した。今後、主な課題についての議論を二巡させ、年内の見直し案取りまとめをめざす。

「医療計画」の一部に位置づけられる「外来医療計画」の記載内容は、(1)外来医師偏在指標を踏まえた外来医療の提供体制の状況、(2)紹介受診重点医療機関、(3)外来における病院と診療所の機能分化と連携の推進、(4)高額医療機器の共同利用計画―などと定められている。

このうち(1)では、まず診療所の医師の多寡を表す「外来医師偏在指標」を二次医療圏ごとに算出し、その値が全医療圏の上位33.3%以上に該当する地域を「外来医師多数区域」に設定。これら地域で新規開業を希望する医師に対して、都道府県が地域で必要とされる機能(たとえば在宅医療、初期救急、学校医など)を担うよう要請することにより、外来医師の偏在解消を図る制度設計になっている。

■医師多数区域の新規開業で医師への要請を行っていない都道府県も存在

だが、厚労省が検討会に示したデータによると、外来医師多数区域を抱える37都道府県中、新規開業を希望する医師に実際に要請を行っていたのは25都道府県。9都道府県は要請をしていなかった。外来の医療ニーズについて、既に多くの二次医療圏で外来患者数が減少局面に入っており、今後は65歳以上人口の増加に伴う在宅患者数や救急搬送件数の急増が見込まれていることもデータから明らかになった。

こうした背景から同省は、▶二次医療圏ごとの人口推計や外来患者数推計等を踏まえた外来医療計画の策定、▶外来医師偏在指標を含む対策のあり方や実効性の担保―の2項目を見直しの論点として提示した。

外来医師多数区域における偏在解消の取組では、現在は「要請」とされている都道府県の権限を強化するよう求める意見もあったが、城守国斗構成員(日本医師会常任理事)は、「白地に絵を描く計画ではなく、各地域に診療所や病院が存在し、患者もいる中で現状をどう変えていくかという観点を共有する必要がある」と指摘。医師偏在指標に基づいて一律の対応を求めるのではなく、各医療圏の特性や人口推計を踏まえた丁寧な議論を行わなければ、偏在の解消は困難との見方を示した。

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