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非切除悪性肝門部胆管閉塞に対する内視鏡的ドレナージの治療戦略について

No.5142 (2022年11月12日発行) P.51

伊佐山浩通 (順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科(胆膵グループ)教授)

木暮宏史 (日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野主任教授)

登録日: 2022-11-10

最終更新日: 2022-11-08

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  • 非切除悪性肝門部胆管閉塞に対する内視鏡的ドレナージはいまだに標準的な治療戦略が示されていません。ステントの種類も多彩で,最近では超音波内視鏡下の胆道ドレナージも加わり,ますます混迷を深めています。
    各種のステントの開発・評価に携わり,ドレナージ方法のランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)も発表された日本大学・木暮宏史先生に,現在のお考えや実際の治療戦略についてご解説をお願いします。

    【質問者】

    伊佐山浩通 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科(胆膵グループ)教授


    【回答】

     【reinterventionを考慮した胆道ドレナージの戦略を立てる必要がある】

    非切除悪性肝門部胆管閉塞に対する胆道ドレナージは内視鏡的ドレナージが主流となりつつあります。しかし,内視鏡的ドレナージにおいて,用いるステントはplastic stentかmetal stentか,ステント留置本数は1本か複数本か,ドレナージ領域は片葉か両葉か,などいまだcontroversialです。「胆道癌診療ガイドライン」にも,「肝門部胆管閉塞に対して開存期間の長いuncovered self expandable metallic stent(SEMS)が推奨されるが,推奨すべき留置形態は確立されていない。施設ごとの技術や診療体制を考慮し,plastic stentを選択してもよい」と記載されています。

    近年,肝門部multi-stentingに適したuncovered metal stentが各種登場しており,large cell typeやmoving cell typeといったステントメッシュデザインの工夫やデリバリーシステムの細径化が図られています。留置方法もstent-in-stent法,side-by-side法だけでなく両者のhybrid法も行われています。細径のfully-covered metal stentをside-by-sideで留置する方法も行われています。各種metal stentの形状や特性を熟知した上で,使用するmetal stentを選択し,適切な留置計画を立てることが大切です。

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