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それをルールにしてるのに [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(51)]

No.4755 (2015年06月13日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-17

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  • いつもせかせかして、ちょっとしたことにイラッとする輩が多い土地柄のせいか、大阪には「いらち」という言葉がある。数年前から、いらちを脱して、もっとゆったり生きようと決めた。が、なかなか難しい。で、少しでもメンタルを鍛えるため、ちいさなことをルールにしてきた。

    一つは、紐付きの革靴を履いたり脱いだりするとき、必ず紐をほどくということ。これは、人生は思うほど短くはないのだから、急がずに、それくらいはゆっくりとやりなさい、という趣旨の文章を、たしか山口瞳の本で読んだから。

    実行しているのであるが、多くの人は紐をほどいたりしないので、同行者を待たせぬように、あせって紐を結ぶはめになることが多い。結果として、急がねばとイライラしてしまったりして、ぜんぜん気持ちがゆったりしないのが問題。

    もう一つは、エレベーターで『閉』ボタンを押さない、というルール。これくらいはガマンできる。それに、同乗者が閉ボタンを押そうとするのに対して「やめてください」と言うわけではないので、周りの人に迷惑をかけることもない。

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