薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は2月27日、第一三共が申請している経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」の承認を了承した。早ければ3月中に承認される見通し。正式に承認されれば、国内初の経鼻投与型のインフルエンザワクチンとなる。
フルミストは、4種類のインフルエンザワクチン株を含有する経鼻噴霧型の弱毒生ワクチン。アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門「メディミューン」が開発した。
このワクチンを接種することにより、抗原特異的血清中抗体・粘膜抗体応答、抗原特異的T細胞応答が誘導され、感染防御や感染からの回復に重要な役割を果たすと考えられている。
国内での承認申請は約6年前の2016年6月に行われた。厚労省によると、追加で実施した臨床試験のデータに「プロトコルからの逸脱例」が多く、評価が難しかったことから審査に時間を要したという。最終的には日本人に対しても有効であることが確認され、医薬品第二部会の議論でも「承認して差し支えない」との結論に達した。主な副反応は鼻漏、口腔咽頭痛、咳などとされている。
フルミストの接種対象は、臨床試験のデザインに基づき2歳〜18歳と設定されており、現段階では高齢者への定期予防接種には使えない。
「フルミスト点鼻液」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】インフルエンザの予防
【用法・用量】2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLずつ)を鼻腔内に噴霧