中央社会保険医療協議会は3月22日、2022年度診療報酬改定の結果検証に関する特別調査(22年度調査)の報告書案を了承した。在宅医療や訪問看護などに関する調査では、外来担当医と在宅医療担当医が共同で行う指導を評価する「外来在宅共同指導料1、2」や、24時間の往診体制確保要件を緩和した区分の新設があった「在宅療養移行加算」(旧「継続診療加算」)の算定が進んでいないことが判明。24年度同時改定に向けた論点の1つになりそうだ。
調査結果によると、22年5月〜10月の6カ月間に回答医療機関において「外来在宅共同指導料1、2」が算定された実人数(平均値)は0.0人、「在宅療養移行加算1」は1.0人、「同加算2」(往診要件を緩和した区分)は0.1人と、ほとんど算定されていなかった。算定していない理由で最も多かったのは、「外来在宅共同指導料1」(在宅医療担当医側で算定)が「該当患者の紹介がなかった」(60.6%)、「同指導料2」(外来担当医側で算定)が「当該点数について知らなかった」(39.3%)。「在宅療養移行加算1、2」では、「24時間の往診体制の確保ができない」が最多となった。
また、調査対象期間中にオンライン診療の実績がなかった医療機関に今後の意向を聞いたところ、61.8%が「情報通信機器を用いた診療体制を確保する予定はない」と回答。その理由では、「対面診療の方がすぐれているため」、「患者のニーズが少ないため」、「患者側がオンライン診療に用いる機器やシステムを操作するのが困難だと考えられるため」といった回答が目立った。
一方、訪問看護に関する調査では、機能強化型訪問看護ステーションは、特掲診療料の施設基準の別表7、8の該当者や超重症児といった医療ニーズの高い利用者の受入れが、非機能強化型に比べて多いことがわかった。
専門性の高い看護師の配置状況をみると、回答した訪看ステーションのうち、認定看護師を配置していたのは全体の22.0%、専門看護師の配置は2.9%、特定行為研修修了看護師の配置は8.1%。機能強化型は認定または専門看護師を配置している割合が約4割を占め、非機能強化型に比べて顕著に高かった。「24時間対応体制加算」は、回答ステーション全体の95.4%が届出をしていた。