麻生太郎財務相は4月22日、政府の経済財政諮問会議で、政府が都道府県ごとに医療費適正化の数値目標を設定する制度を提案した。
医療費支出が少ない都道府県を基準として、そこから人口・年齢構成等を補正して各都道府県の医療需要を算出。レセプトデータを用いて、後発品使用率など実際の医療費との乖離の原因を可視化させながら年間支出目標額を設定する。保険者に適正化へのインセンティブを与えるため、支出が目標を上回った場合には後期高齢者支援金を減算、下回れば加算する仕組みも導入すべきとしている。今後、政府の社会保障改革推進本部で詳細な検討を進める方針。
同会議では医療費抑制を狙った提案が相次いでおり、16日の会合では伊藤元重東大経済学部教授ら民間議員が、現在2年に1回実施されている薬価基準改定を毎年行うよう提言。市場実勢価格をより正確に反映した価格設定を求めた。
これについて麻生財務相は賛意を示す一方、田村憲久厚生労働相は25日の閣議後会見で、毎年改定でかえってコストが増える可能性を挙げ、「実現は難しいのではないか」と慎重な考えを示している。