No.4766 (2015年08月29日発行) P.75
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-02-14
死ぬまでに行ってみたい場所がたくさんあって、世界のあちこちにおよそ40カ所。定年になってからでは行ききれそうにないので、数年前から少しずつこなし始めている。で、この夏休みはドロミテへ。
イタリアの北東部、アルプス山脈の東端。3億年前には海底で、その時代の珊瑚礁に由来するドロマイトと呼ばれる石からなる、とんがった山がたくさんある地域だ。
日本ではあまり知られていないようだが、冬はスキー、夏はトレッキングやサイクリングといったアウトドア・アクティビティーが非常に盛んなところである。もちろん、今回の旅の主たる目的もそれ。
登山道は縦横無尽によく整備されていた。歩くにつれて、複雑な形をした岩山の姿がどんどんと変容して見えていく。まるで3Dだまし絵のような不思議さが面白い。
野生のエーデルワイスも咲いているようなお花畑が見事。山小屋も多く、どこも生ビールサーバーが完備。山道を歩いて喉が渇けばすぐに生ビールが飲める標高2〜3千メートルというのは、ほんまに天国!
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