日医の中川俊男副会長は7日、衆議院厚生労働委員会に参考人として出席し、医療介護総合確保推進法案など社会保障制度改革に対する意見陳述を行った。その中で国家戦略特区での医学部新設と政府の規制改革会議が提言した新たな保険外併用療養の枠組みとなる「選択療養」導入について「日医として改めて反対する」と強調した。
医学部新設については「医学部定員増で医師数には一定のメドがついた」との見方を示し、「かえって地域医療の崩壊を招く恐れがある」と従来の主張を展開。選択療養の導入については2004年に厚労相と規制改革担当相の間で交わされた「『混合診療』問題に係る基本的合意」の「必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保する」との理念に反するとして、「現行の保険外併用療養の枠組みの中で運用すべき」と訴えた。
中川副会長は総合確保推進法案については「基本的に推進すべき」との考えを示し、病床機能報告制度の病床区分が日医・四病協の合同提言を踏まえた「高度急性期・急性期・回復期・慢性期」の4区分となったことを評価。一方、医療事故調査制度の創設については「意義は大きい」としつつ、「厚労省検討部会の報告書の記述通りに第三者機関から警察への通報は行わないということを明確化すべき」と指摘した。