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■NEWS 松本日医会長、トリプル改定「前向きの議論になる」―骨太方針で見解

No.5175 (2023年07月01日発行) P.71

登録日: 2023-06-22

最終更新日: 2023-06-22

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「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針2023)が616日に閣議決定されたことを受け、日本医師会の松本吉郎会長は621日の会見で、「年末の予算編成過程での前向きの議論になると受け止めている」と述べ、その内容を一定程度評価する見解を示した。

来年4月に行われる診療報酬、介護報酬、障害者サービス等報酬の改定について、67日の「骨太の方針2023」原案では「保険料負担の抑制の必要性を踏まえ、必要な対応を行う」とされていたのが、最終版では「保険料負担の影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスを受けられるよう、必要な対応を行う」と変更されるなど、負担抑制のニュアンスが弱められた。

会見で松本会長はこうした文言の変化を列挙した上で、「原案が発表されてから自民党厚生労働部会、政調全体会議をはじめ、活発な議論が行われた結果」と与党側の巻き返しを評価。日医をはじめ医療・介護関係団体が4月以降、合同記者会見や合同声明などで「骨太の方針2023」に物価高騰・賃金上昇についてトリプル改定で対応することを明記するよう主張してきたことを振り返りながら、「これらの働きかけが実を結んだものと理解している。年末に向けて令和6年度トリプル改定の議論が本格化するが、予算編成過程での前向きの議論になると受け止めている。物価高騰・賃金上昇などの必要性に基づいた改定が実現するよう、引き続き政府に働きかけていく」と述べた。

■少子化対策の財源は「社会保障と別枠で確保を」

松本会長は「骨太の方針2023」に書き込まれた他の医療政策についても言及。「かかりつけ医機能」に関しては、「発揮される制度整備の実効性を伴う着実な推進」と記載されたことから、「5月に公布された全世代社会保障法をもって一定の整理がなされたものと理解する」と述べ、「かかりつけ医制度」の議論は終息したことを示唆した。

少子化対策の財源については、「社会保障の財源と別枠で確保することが必要。難しい問題だが、社会保障と子ども政策の両方の視点を持って取り組んでいただきたい」と述べ、社会保障費を抑制して少子化対策に充てる考えを改めて牽制した。

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