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日本医用画像データベースJ-MIDの目的と今後の可能性は?〜青木茂樹(日本医学放射線学会理事長)明石敏昭(順天堂大学放射線診断学講座准教授)【この人に聞きたい】

No.5179 (2023年07月29日発行) P.6

青木茂樹 (日本医学放射線学会理事長)

明石敏昭 (順天堂大学放射線診断学講座准教授)

登録日: 2023-07-26

最終更新日: 2023-07-25

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画像診断の安全性向上とAI診断機器の開発めざし
10大学病院のCT・MR画像を集約したビッグデータを構築
医療情報利活用を阻む倫理指針などの壁打開が課題

あおき しげき(右):1984年東京大医学部卒。山梨医大・東京大放射線科助教授などを経て、2008年より順天堂大医学部放射線診断学教授、23年4月より同大健康データサイエンス学部長兼任。日本医学放射線学会理事長、日本医学会連合理事なども務める。国際磁気共鳴医学会シニアフェロー。

あかし としあき(左):2005年奈良県立医大医学科卒。12年同大にて医学博士取得。19年より順天堂大放射線診断学准教授。日本医学放射線学会が運用するJ-MIDの事務局も務める。放射線診断専門医。

日本医学放射線学会は今年4月、全国の大学病院で撮影した医用画像を集約して一元管理するデータベース「日本医用画像データベース(J-MID)」のクラウド管理基盤を構築した。J-MIDの目的とこれまでの成果、今後の可能性について、同学会理事長で順天堂大学医学部放射線診断学講座教授の青木茂樹氏と、実務を担当する同講座准教授の明石敏昭氏に聞いた。

画像診断の安全性・効率性の向上をめざす

─最初にJ-MIDの目的を教えて下さい。

青木 J-MIDの主な目的は、画像診断領域の安全管理、医療被ばく管理をするためのシステム構築と、AI(人工知能)などICT技術を活用した画像診断技術の研究開発の推進です。

そもそも、わが国では画像診断機器が適正に配置されておらず、管理が不十分で被ばく量が多いCTがあるなどの問題が指摘されていました。日本医学放射線学会ではそういった状況を改善するために、ビッグデータやAIなどを利活用し、画像診断各領域の安全性と効率性を向上させるシステムの構築をめざす「Japan Safe Radi-ology」の概念を2014年に提唱しました。

その実現のためには精度の高い多施設の医用画像を集約したデータベースが不可欠です。16年から日本医療研究開発機構(AMED)の画像診断ナショナルデータベース事業としてJ-MID構築の準備を開始し、18年からデータの集約を始めました。AMEDの事業は既に終了し、現在は、学会がJ- MIDを運用しています。

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