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■NEWS 次期診療報酬改定の基本方針に関する議論を開始―医療保険部会、医療部会

No.5185 (2023年09月09日発行) P.69

登録日: 2023-08-31

最終更新日: 2023-08-31

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社会保障審議会の医療保険部会と医療部会が824日と25日に相次いで開催され、2024年度診療報酬改定の基本方針に関する議論を開始した。両部会とも医療関係者からは、物価高騰や賃金上昇への対応や、医療従事者の処遇改善、入院時食事療養費の引き上げなどを求める意見が相次いだ。

診療報酬改定の議論は、社保審の医療保険部会と医療部会が12月上旬に基本方針をまとめ、年末の予算編成過程で内閣が改定率を決定する。これらの内容を踏まえて、翌年1月以降、中央社会保険医療協議会が個別項目の点数や算定条件を検討する流れで進められる。

前回22年度改定の基本方針では、新型コロナウイルス感染症のまん延下での実施となり、①新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築、②安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進―が重点課題に据えられた。

■医療関係者は物価高騰への対応や入院時食事療養費の見直しなどを要請

24日の医療保険部会で、猪口雄二委員(日本医師会副会長)は長年据え置かれている入院時食事療養費について、「(水道光熱費や原材料費の高騰などで)ほとんどの病院の給食部門が赤字になっている」と、引き上げを強く求めた。池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)は、生産年齢人口の減少に伴う医療従事者不足の深刻化を憂慮。「人材不足は医療界だけの問題ではないが、(診療報酬という)公的価格に縛られている厳しさを理解してほしい」と訴えた。

一方、横本美津子委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会長)は、「社会保障制度の持続性の確保と経済財政との調和が引き続き重要。現役世代の負担増に十分配慮し、経済の好循環を阻害しないような改定をお願いしたい」と釘を差した。

25日の医療部会では、神野正博委員(全日本病院協会副会長)が新興感染症への備えとして、「もしもの時にすぐ入院できる病床が必要であり、病床稼働率が67割でも十分経営が成り立つような入院料の戦略的な見直しが必要だ」と提案。河本滋史委員(健康保険組合連合会専務理事)は地域医療構想について、「病床数全体では目標を達成できそうだが、機能別の病床の構成は目標と乖離しており、引き続き病床機能の分化と連携の推進が必要だ」と指摘した。

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