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■NEWS 24年度改定に関する一巡目の議論をとりまとめ―中医協

No.5185 (2023年09月09日発行) P.70

登録日: 2023-09-04

最終更新日: 2023-09-04

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中央社会保険医療協議会は830日に開いた総会で、「令和6年度(2024年度)診療報酬改定に向けた議論の概要」をとりまとめた。今年4月から進めてきた一巡目の議論での論点や、委員から出た意見などを整理したもの。総会は議論の概要の内容を踏まえつつ、9月以降は個別課題について踏み込んだ議論に入っていく。議論の概要は、次期診療報酬改定の基本方針を検討している社会保障審議会の医療保険、医療両部会に報告される予定。

「議論の概要」の主な内容をみると、外来におけるかかりつけ医機能の強化では、改正医療法の施行で254月から、患者の求めに応じてかかりつけ医機能として提供する医療の内容を書面交付する仕組みが始まることに注目。この書面の内容・役割が「生活習慣病管理料」の「療養計画書」と重複する可能性があるとして、医療DXを推進する中でより効率的な情報共有の方法を整理するよう求める意見が出ている。生活習慣病の管理では、棲み分けが曖昧になっている「生活習慣病管理料」と「特定疾患療養管理料」について、算定対象となっている患者像をそれぞれ分析した上で議論を深めるべきだとの指摘がある。

入院では、今後も増加が見込まれる高齢者の救急搬送への対応が大きな課題。「急性期一般入院料1」の算定病棟における高齢患者の増加も問題視され、委員からは①二次救急に対する評価とともに、三次救急からの下り搬送を評価すべき、②誤嚥性肺炎や尿路感染症の入院治療については、地域包括ケア病棟におけるよりいっそうの対応が必要ではないか―といった意見が出ている。ただ、地域包括ケア病棟への受入に関しては主に診療側から、「看護配置が131であること等から、対応できる救急医療には限界があることも認識すべきだ」との声も上がっている。

■診療報酬本体の改定施行時期は61日への後ろ倒しで決着

医療DXでは、診療報酬本体(医療材料含む)の改定施行時期を24年度改定から61日に後ろ倒しすることが決定済み。薬価改定はこれまで通り41日施行とする。

診療報酬改定年は4月から新ルールに変わるというイメージが広く浸透しているため、委員からは「医療機関・薬局に具体的にどのようなメリットがあるのか、ひいては患者にどのように還元されるのかを明確化し、丁寧かつ早期に周知してほしい」との要望があった。

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