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■NEWS 入院・外来医療等分科会が中間とりまとめを報告―中医協基本問題小委

No.5189 (2023年10月07日発行) P.71

登録日: 2023-09-29

最終更新日: 2023-09-29

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診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会は927日、これまでの議論の中間とりまとめを中央社会保険医療協議会の診療報酬基本問題小委員会と総会に報告した。

基本問題小委では中間とりまとめのうち、かかりつけ医機能の評価について発言が相次いだ。生活習慣病の管理を評価する既存の点数について、これまでの分析では、高血圧、糖尿病、脂質異常症の再診では「外来管理加算」や「特定疾患療養管理料」の算定が多く、「地域包括診療料・加算」、「生活習慣病管理料」の算定は極めて少ないことがわかっている。 

この点について支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「生活習慣病の計画的管理をどの診療報酬で評価するのか、体系的に整理すべき時期に来ているのではないか」と指摘。診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、コロナ禍の受診控えで生活習慣病患者の受診頻度が低下して長期処方が増えた結果、患者への説明や診療に伴う医療機関の負担は増加したとし、かかりつけ医機能の評価の検討の際にはこうした点も考慮してほしいと要請した。

高齢者の救急搬送への対応を巡っても論議が行われた。松本委員は、地域包括ケア病棟での患者受入が現実的な対応だとしながらも、「(中間とりまとめによると)直接入棟は医療資源投入量が多く、下り搬送と同様に扱うことには疑問が残る。分科会で整理してほしい」と要請。診療側の島弘志委員(日本病院会副会長)は、同じ地域包括ケア病棟を持つ施設であっても、二次救急医療機関とそれ以外の医療機関では救急患者への対応力に違いがあるとし、「高齢者の救急搬送は地域包括ケア病棟で受けるといった画一的な制度設計にすべきではない」と主張した。

■認知症薬レカネマブに年間市場規模1500億円超の高額医薬品のルールを適用

同日の総会では認知症薬「レカネマブ(遺伝子組換え)」(925日付薬事承認)について審議が行われた。市場規模が年間1500億円超となる可能性があることから、高額医薬品のルールを適用して、薬価算定方法(薬価収載時の算定方法、市場拡大再算定の適用等)をまず薬価専門部会で検討した後、総会で議論する方針を確認した。総会の結論を踏まえて薬価算定組織が薬価を設定し、薬事承認から90日以内となる12月下旬の薬価収載を目指すことになる。

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