文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」の第2回会合が4日開かれ、国際復興記念大学設立準備室、東北薬科大学、宮城県の応募3団体のプレゼンテーションと日本医師会の意見陳述が行われた。
会合は非公開。終了後会見した遠藤久夫座長らによると、この日は各団体から、東北地方全体への貢献のあり方、地域医療に支障を来さずに教員・医師・看護師を確保する方法、学生が卒業した後の定着策について説明があり、委員との間で、方針の確認や実現可能性に関する質疑応答が行われたという。
遠藤氏は、各団体の評価に関する言及は避けたものの、「(3団体とも)かなりの確度でその方針で進んでいけるのではないか。これはもう絶対にダメだ、と委員の間でコンセンサスが得られたところはない」と述べ、いずれも選定の可能性があるとの見方を示した。
一方、日医からは中川俊男副会長が意見を述べ、改めて医学部新設反対の基本姿勢を示した。その上で、「そうは言っても国の方針としてこうした形で進められている状況」であることは認め、関連3省庁の『基本方針』の留意点を踏まえた厳格な審査を求めるとともに、医師偏在に関する日医の考え方を述べた。
審査会は次回会合で東北地方の自治体や大学のヒアリングを行い、8月上旬までに開く第4回以降、選定候補の審査を行う。文科省は『基本方針』の趣旨に最も近く実現可能性のある1件を秋前までに絞りたい考えだ。