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■NEWS 2025年の地域医療構想実現に向け「モデル推進区域」支援へ―厚労省WG

No.5214 (2024年03月30日発行) P.68

登録日: 2024-03-15

最終更新日: 2024-03-15

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厚生労働省の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」は313日、2025年に向けた地域医療構想の進め方に関する事務局案を了承した。構想区域の中でも特に重点的な支援が必要と考えられる区域を「モデル推進区域(仮称)」に選定して国が積極的な伴走支援を行うほか、地域別の病床機能の見える化や、都道府県および医療機関の好事例の周知などを通じ、地域医療構想の実現を目指す。3月中を目途に関連通知を発出する予定。

地域医療構想について厚労省は233月の告示改正や通知で、構想区域ごとの年度目標を設定することやPDCAサイクルに基づいて着実に推進することを都道府県に求めてきた。しかし同年12月の進捗状況調査では、①25年の見込み病床数と病床の必要量にデータの特性だけでは説明できない差異がある構想区域が132存在する、②すべての構想区域が様々な医療提供体制上の課題を抱えている―ことなどが判明。対応策として、これまでのPDCAサイクルに基づく取り組みに加え、行政と医療機関が取り組むべき事項を明確化することや、課題を抱える構想区域に重点的支援を行う方針を決めた。

このうち、行政と医療機関が取り組む事項の明確化では、まず国が「推進区域(仮称)」(都道府県当たり12カ所)と「モデル推進区域(仮称)」(推進区域の中から全国1020カ所程度)を選定。「モデル推進区域」には、データ分析等の技術的支援や地域医療介護総合確保基金の優先配分等による財政的支援を行う。その上で、都道府県には推進区域の地域医療構想調整会議における区域対応方針の策定・推進を、医療機関には区域対応方針に基づく医療機関対応方針の検証・見直しなどの取り組みをそれぞれ要請する。

25年の見込み病床数と病床必要量の見える化や好事例の横展開なども推進

国は「モデル推進区域」への伴走支援のほかにも、①都道府県別・構想区域別に25年の見込み病床数と病床の必要量、医療機関の診療実績等を厚労省ホームページ上で見える化、②地域医療構想の実現に向けた都道府県の取り組みの好事例の周知、③医療機関の機能転換・再編等の好事例の周知、④地域医療介護総合確保基金などによる支援策の周知、⑤地域医療構想の進め方に関する都道府県等の取り組みのチェックリストの作成・周知―などの対策を講じるとしている。

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