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2040年に期待するプライマリ・ケア[6]―ソーシャルワーカーの立場から〜地域の看取り時代におけるプライマリ・ケア[プライマリ・ケアの理論と実践(194)]

No.5218 (2024年04月27日発行) P.14

西出真悟 (オレンジホームケアクリニック副院長/ソーシャルワーカー)

登録日: 2024-04-26

最終更新日: 2024-04-24

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SUMMARY
社会や技術が大きく変化する2040年においても,プライマリ・ケア医師の根幹は大きく変わらないだろう。しかし,これまで以上に地域社会や今後の社会を見据えた上での個別ケアや多職種・多分野連携が重要になるだろう。

KEYWORD
地域の看取り
今後,人口が大きく減少していく社会において,地域を維持することが難しくなる時代になるだろう。生活や人生に深く関わるプライマリ・ケア医師だからこそ,社会の変化をもふまえて,ケアを提供していけるだろう。   

西出真悟(オレンジホームケアクリニック副院長/ソーシャルワーカー)

PROFILE
福祉系大学を卒業後,高齢者福祉施設にて高齢福祉,介護に従事。その後,在宅療養支援診療所であるオレンジホームケアクリニックの立ち上げメンバーとして参加。在宅医療におけるソーシャルワークを実践中。

POLICY・座右の銘
努力した者すべてが報われる訳ではないが,成功した者は皆すべからく努力している


1 はじめに

2040年のプライマリ・ケア医師に期待することを考えるにあたり,まず2040年の社会について俯瞰的に見渡す必要があると考える。日本創成会議・人口減少問題検討分科会が2014年に公開した人口減少地図は,社会全体を見渡す上で,ひとつの指標になると考えている(図1)1)

プライマリ・ケア医師としては医療福祉の文脈だけでなく,地域全体を見渡す必要性があることを考えると,そもそも医療活動を行う地域が,今後どのような社会となっていくのかについて把握しておくことは重要である。変化していく社会を前提とした上で,個人の人生観や価値観をふまえ,プライマリ・ケア医師として医療や福祉,健康に対してどのようにアプローチしていくのかが決まっていくのではないだろうか。

とは言え,社会が大きく変化し,環境が大きく変わったとしても,プライマリ・ケア医師としてやることの本質は大きくは変わらないように思う。しかし,これまで以上に社会や環境,将来のことを深く認識した上で,議論する幅が広がるのではないかと考える。

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