▶発育期のスポーツ活動によって起きる腰痛で,見逃してはならない疾患が腰椎分離症です。腰椎椎弓の関節突起間部の疲労骨折が原因とされています。小学校高学年〜高校生に好発します。
▶分離部が癒合しないと偽関節となり腰痛が持続し,また,不安定性が増していくと腰椎が前方にすべり,腰椎分離すべり症になります。分離症は第5腰椎に好発します。
▶病初期には下肢痛が出現することもあり,腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別が難しいこともあります。椎間板ヘルニアの好発年齢は20~40歳代とやや高くなります。
▶スポーツ負荷により腰部筋・筋膜損傷も発生しますが,基本的には1~2週間程度で自然軽快することが多く,2週間以上長引く腰痛は腰椎分離症の可能性を疑います。