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ないと寂しい「街の本屋さん」 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(84)]

No.4789 (2016年02月06日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

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  • 自宅近くの本屋さんが閉店した。寂しい限りだ。20年ほど前に経営者がかわったのだけれど、物心ついてからずっとその場所には本屋さんがあった。街の本屋さんとしては大きめで、300平米くらいだろうか。

    本屋さんへ行くのが好きである。しばらく行かないと禁断症状が出てくるほどだ。危なくなると、仕事帰りにその本屋さんにふらっと寄っていた。何を買うというあてもなく、お店をゆっくり一回りして帰るだけのことが多かった。ひょっとすると、迷惑なおっさんと思われていたかもしれん。

    子どもだったから単にそう感じただけかもしれないが、昔は所狭しと本が置かれていて、ずいぶんと品揃えがよかったように記憶している。しょっちゅう立ち読みに行っていた中学生の私にとっては、ちょっとした文化施設であった。

    商店街には、もう一軒、小さな本屋さんがある。しかし、いつも一人でお店番をしておられるような本屋さんは苦手だ。ほとんどの場合、お店の人とマンツーマン状態になって、買わないと悪いような気がして、つい不要な本を買ってしまうから。けっこう弱気なおっさんなのである。

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