▶若年者の急性発症の下肢痛では腰椎椎間板ヘルニアをまず鑑別に挙げます。腰椎椎間板ヘルニアは80%が後外側型,10%が外側型,10%が正中型と統計されています。90%の方は片側の下肢痛で発症しますが,正中型では後縦靱帯の伸展による腰痛のみで来院されることもあるので,注意が必要です(図1)。
▶腰椎椎間板ヘルニアの好発部位は,L4/5,L5/S1です。前弯の強い部位なので,前屈により最も力を受けやすいと覚えると理解しやすいと思います。
▶坐骨神経痛をきたす疾患としては梨状筋症候群も挙げられます。臀部痛や大腿部痛の原因が股関節疾患(変形性股関節症)である場合がありますので,股関節の診察も忘れずに行いましょう。