財務省の財政制度等審議会は12月25日、2015年度予算編成に関し、社会保障給付の徹底的な合理化・効率化を求める建議をまとめ麻生太郎財務相に提出した。
建議は、医療の高度化など高齢化以外の要因によるいわゆる「自然増」について、(1)過剰な急性期病床の削減等の医療・介護提供体制の改革、収支差等を踏まえた報酬水準の抑制、後発医薬品の使用促進など給付面の徹底した効率化・合理化、(2)年齢や制度で区分しない、経済力に応じた公平な負担、(3)在宅医療推進など真に必要な新しい政策課題への対応─の3つの柱の下、改革に取り組んでいく必要があると指摘している。
このうち医療提供体制改革については、病床数の適正化とともに「将来的には診療所についても改革を進めていくべき」との意見を紹介。新たな基金の来年度以降の配分は、地域医療構想を早期策定し、病床の機能分化・連携を積極的に進める都道府県に優先的に配分していくべきとした。
保険給付範囲の見直しに関しては、次期改定で医薬品の参照価格制度を検討すべきと指摘。さらに、入院患者の食事代の見直し、市販品類似薬の保険給付対象からの除外、紹介状のない大病院受診の患者負担の仕組み─についても検討を求めている。
負担の公平確保については、高額療養費の外来特例の廃止や後期高齢者医療の保険料特例措置の段階的廃止とともに、原則1割となっている後期高齢者の自己負担割合のあり方も課題に位置づけた。