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■NEWS 26年度の医学部臨時定員配分の考え方を提示―医師偏在対策等検討会

登録日: 2024-09-27

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厚生労働省は920日の「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」に、2026年度の医学部臨時定員の配分の考え方を示した。今後、医師の供給が需要を上回る見通しであることを踏まえ、医師多数県の臨時定員地域枠は削減を進めるが、その際、若手医師が少ない場合や高齢医師が多い場合などについては一定の配慮を行うことなどを提案した。

政府は、医師の地域間・診療科間偏在の是正に向け、24年末までに総合的な対策パッケージをまとめる予定。現在、厚労省の関係審議会等での議論が同時並行的に進められており、当該検討会では主に、(1)医師多数県の臨時定員地域枠の医師少数県への振替、(2)中堅以降医師等が総合的な診療能力等を学ぶためのリカレント教育―を議論することになっている。

このうち(1)については25年度の医学部臨時定員の配分において、①医師多数県の臨時定員地域枠は24年度の定員数に0.8を乗じた数に削減する、②医師少数県は医師多数県から削減した定員数分を活用し、24年度よりも増やす意向がある場合は意向に沿った配分を行う―ことなどがすでに決まっている。

ただ、同じ医師多数県であっても全国平均よりも35歳未満の医師が少ない県や65歳以上の医師が多い県も見受けられるなど医師の年齢構成には幅があり、一律な対応では問題が生じる懸念もある。

そこで厚労省は26年度の医学部臨時定員の配分について、①医師多数県は臨時定員地域枠を一定数削減していく一方で、若手医師が少ない場合や医師の年齢構成が高齢医師に偏っている場合などは配慮する、②26年度までに恒久定員内地域枠を一定程度設置する等、さらなる県内の偏在対策に取り組む都道府県については配慮する―ことなどを検討会に提案した。

■医師多数県の地域枠削減緩和には否定的意見も

医師多数県の臨時定員地域枠の削減を緩和することに対しては一部の構成員から、「開業医に定年はなく、65歳以上でもその後20年続ける場合もある。そういう不確実なことを前提に臨時定員地域枠の削減に配慮する必要はないのではないか」(印南一路構成員・慶應義塾大学総合政策学部教授)、「定員数が増えれば教育する側の負担が大きくなり、質の低下も懸念される。臨時定員地域枠は抑制的であるべきだ」(國土典宏構成員・国立国際医療研究センター理事長)など、否定的な意見が示された。

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