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■NEWS 医師偏在是正のための規制的手法などを議論―新地域医療構想検討会

No.5242 (2024年10月12日発行) P.71

登録日: 2024-10-04

最終更新日: 2024-10-04

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厚生労働省の「新たな地域医療構想等に関する検討会」は930日、政府が年末のとりまとめを予定する医師偏在是正の対策パッケージのうち、規制的手法などについて議論した。この中で同省は、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関拡大や外来医師多数区域における開業規制の強化などを具体案として提示した。

厚労省の規制的手法の案は、(1)医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関拡大と勤務経験期間の延長、(2)外来医師多数区域における開業規制の強化、(3)保険医療機関の管理者要件―が柱。(1)では対象医療機関を地域医療支援病院以外にも拡大することや、現在は6カ月の少数区域等での勤務期間を1年以上などに延長することを提案した。

2)では2案を提示した。1つは外来医師多数区域の新規開業希望者に地域で不足する医療機能の提供を要請する既存の仕組みについて、医療法に位置付けるとともに(現行はガイドラインで規定)、新規開業希望者に提供予定の医療機能の事前届出を求め、その内容に応じて要請を行う仕組みに改める案。要請に応じない場合に都道府県による勧告・公表を行うことや、保険指定をしないなどの保険医療機関制度上の対応を講じることなどについての検討も併せて求めた。もう1つの案はより厳しく規制する場合を想定したもので、外来医師多数区域での開業を許可制とし、開業の上限を定める手法を示した。

3)では、保険医療機関の管理者を法律に規定し、一定期間の保険医勤務経験を管理者要件に設定することを提案した。

■外来多数区域での開業、「過度な規制はあり得ない」―日医・江澤常任理事

医師少数区域等での勤務経験を管理者要件とする対象医療機関の拡大には、一部賛成意見もあったが、病院管理者のなり手不足につながるなどとして反対する意見が大勢を占めた。外来医師多数区域での開業規制の強化では賛否が分かれた。河本滋史構成員(健康保険組合連合会専務理事)は、「新規参入は地域で不足する診療科や医療機能を充足させる場合のみ保険医療機関の指定を行い、約束を守らない場合は指定を取り消すことをルール化するべきだ」と主張。これに江澤和彦構成員(日本医師会常任理事)は、「自由開業の否定になるような過度の規制はあり得ない」と反論した。

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