株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

急性胆囊炎[私の治療]

No.5245 (2024年11月02日発行) P.46

圓谷俊貴 (富山大学学術研究部医学系内科学第三講座)

林 伸彦 (富山大学学術研究部医学系内科学第三講座)

安田一朗 (富山大学学術研究部医学系内科学第三講座教授)

登録日: 2024-11-02

最終更新日: 2024-10-29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 胆囊に急性に生じた炎症性疾患。多くは胆石に起因するが,胆囊の血行障害,化学的な傷害,細菌感染,膠原病,アレルギー反応など発症に関与する要因は多彩である。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    最も典型的な症状は右季肋部痛,心窩部痛であり,ついで悪心・嘔吐が多い。発熱は高頻度でなく,38℃を超える高熱の頻度は3割程度である。

    【検査所見】

    血液検査で炎症反応上昇(白血球数の増加,CRP値の上昇),腹部超音波,CTで胆囊腫大,胆囊壁肥厚を認める。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    中等症までの急性胆囊炎は,早期胆囊摘出術が第一選択だが,実際の臨床の場ではマンパワーの関係上,全例に対して緊急手術を行える施設は多くなく,一時的にドレナージを施行する場合が多い。近年,抗血栓薬内服中の患者が増加しており,こうした症例で急性胆囊炎を発症した場合,高度な内視鏡技術を有する施設であれば,出血のリスクを伴う経皮的ドレナージではなく,内視鏡的胆囊ドレナージを選択することがある。

    残り1,652文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top