政府の規制改革会議(岡素之議長)は12日、「医薬分業における規制の見直し」をテーマに公開ディスカッションを実施した。焦点となったのは、医療機関と薬局を構造的に分離する規制、いわゆる「面分業」の是非について。
ディスカッションでは、同会議健康・医療ワーキンググループの翁百合座長が「薬局と病院が物理的に離れている必要はない」との考えを示し、参加者に意見を求めた。日本薬剤師会の森昌平会長は「一体的な構造になると薬局が機能面で特定医療機関のものになってしまう恐れがある。面分業は国民の利益につながる」と主張。これに対し、日本医師会の今村聡副会長は「高齢者はかかりつけ薬局で薬歴管理をしてもらうことが理想だが、現実には医療機関から一番近い薬局に行っている。基幹病院が1つしかない地域であえて隔壁を設ける必要はない」と指摘した。
同会議委員で弁護士の林いづみ氏は「医薬分業が実施され、質の向上や薬価差益抑制にどれだけ効果があったのか」と疑問を呈した上で、面分業について「経営の独立性が確立されていれば、構造上の独立は関係ないはず」と否定的な考えを示した。
こうした意見に対し、厚生労働省担当官は「面分業は必要と考えている。院内薬局は門前薬局を助長することになりかねない」との認識を示した。