中央社会保険医療協議会調査実施小委員会は12月4日、2026年度診療報酬改定に向けて行う医療経済実態調査の調査項目などを固めた。医療従事者の賃上げ状況の把握では、「ベースアップ評価料」の届出や「賃上げ促進税制」の活用に関する調査項目を追加する。次回の小委には、これまでの議論の内容が反映された調査票案が提示される見通し。
この日は(1)調査項目、(2)調査設計、(3)有効回答率の向上策―などについて意見を交わした。
(1)では、次期実調の調査対象期間(2025年3月末までに終了する直近2事業年)にも新型コロナ流行期が含まれることから、前回の実調と同様の項目を設けて影響を把握することや、食費に関する支出を「給食材料費」や「給食委託費」等の前回と同様の項目で調査する方針を確認。賃上げ状況の把握については、回答時の負担の増加で回答率が下がるのを避けるため詳細な調査の実施は見送り、「ベースアップ評価料」の届出の有無や「賃上げ促進税制」の活用の有無別に損益状況や給与年(度)額の集計を行うことにする。
(2)では、一般診療所の主たる診療科別集計のようにサンプル数が少ないことが見込まれる集計への対応が課題。できるだけ多くのサンプル数を確保できるように、診療側関係団体や学会・医会を通じて協力の働きかけを行うほか、23年8月から情報収集が始まった医療法人の経営情報データベースについて、実調を補完するデータとして活用することを念頭に具体策の検討を進める。
(3)では、回答施設へのフィードバック内容を充実させるための見直しを行うとともに、電子調査票の活用を推進する。