日本慢性期医療協会の武久洋三会長は9日の定例記者会見で、病床機能報告制度における今後の病床区分の方向性について、現在の「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」から、(1)急性期、(2)地域包括期、(3)慢性期─の3区分に収斂していくべきとの考えを示した。
武久会長は4月から策定が始まっている地域医療構想において、「地域包括ケア病棟がどの区分に当てはまるか曖昧」と指摘。病床機能報告制度の報告状況を踏まえ、急性期の一部と診療報酬上の回復期リハビリテーション基本料、15対1療養病棟入院基本料算定病床を含む区分を「地域包括期」として提唱した。
さらに武久会長は、構想区域などごとに設けられ、将来の病床必要量を達成するために医療関係者や医療保険者が協議する「地域医療構想調整会議」(調整会議)について、病床機能ごとに代表する医療関係者が参加する必要性を強調。慢性期医療の代表者を調整会議に参加できる体制構築に向け、日慢協の支部の増設を全国に進めていることを明らかにした。