政府の社会保障制度改革推進本部「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」(会長=永井良三自治医大学長)は15日、2025年までに高度急性期病床・急性期病床を計24.1万床削減できるとの目標値を盛り込んだ報告書をまとめた。都道府県は報告書の数値を参考に地域医療構想を策定する。
目標値は、レセプトデータなどを用いて都道府県ごとに必要病床数を推計し、積み上げたもの。
報告書は「医療提供体制に大きな地域差がある中、現状を全て追認することになってはならない」と、病床機能の分化や効率化を進める必要性を強調。その上で、一般病床と療養病床を合わせて134.
7万床ある13年の病床数を、25年には115万~119万床に減らすとした。削減幅は15.7万~19.7万床と、現状の1割強に当たる。機能分化を進めない場合、25年の病床数は152万床程度と予測。
病床機能別では、病床機能報告制度で14年7月までに報告された123.4万床のうち、高度急性期は6.1万床、急性期は18万床、慢性期病床は6.7万~11万床が削減できると算出。一方、在宅医療の充実を図ることで新たに29.7万~33.7万人に対応できるとしている。回復期病床も現在の11万床から37.5万床に拡大できると見込む。都道府県別では、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・沖縄を除く、41道府県で病床を削減する方針を示している。