監修: | 弘世貴久(東邦大学医学部内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野 教授) |
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編集: | 内野泰(東邦大学医学部内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野 准教授) |
編集: | 吉川芙久美(東邦大学医学部内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野 講師) |
判型: | A5判 |
頁数: | 336頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2023年12月08日 |
ISBN: | 978-4-7849-5293-9 |
版数: | 第4版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
●患者さんパラメータごとに,処方の初手・次の一手の構成で解説。治療の進歩に伴い,前版からほとんどの症例を入れ替えました。前版をお持ちの方には,同じようなパラメータの患者さんの治療がどのように進歩したかを実感頂けます。
●血糖値のみならず,血圧,脂質,脂肪肝なども改善する最新の治療法を解説。
●インスリン分泌能とインスリン抵抗性の簡単なチェック方法,保険診療で査定されやすい点など,実臨床ですぐに役立つ情報が満載です。
●2023年10月末公開の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」にも対応。
●治療薬とあわせて最新デバイスの活用法も紹介しています。
●週1回注射の基礎インスリン製剤「インスリン イコデク」が発売されたら良い適応となりそうな症例についても言及しています。
本書が初めて刊行されたのが今からちょうど10年前の2013年。新版として再編集を何度も加えて今回第4版となりました。糖尿病の治療薬が本当に日々進歩している証拠と言ってもよいでしょう。そして何よりうれしいことはその進歩に沿った新版を本書に求められて再編集を重ねる機会を頂いたことです。ひとえに本書をお求め頂き,愛読,愛用して頂いた医療関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
さて,その進歩の中でも直近の話題はやはりGLP-1受容体作動薬あるいはGIP/GLP-1受容体作動薬が示した驚くべき効果でしょう。第3版の緒言でも申し上げていますが,基礎インスリンに代わってファーストインジェクションにのし上がったGLP-1受容体作動薬はその時点でプライオリティの高い薬剤となっていました。しかし,その後登場した,セマグルチド,チルゼパチドは既存のGLP-1受容体作動薬よりもかなり強力で,患者によってはHbA1cが5%台に,そして体重を10㎏以上落とせるといった凄まじい効果に加え,高血圧,脂質異常症,脂肪肝といった付随する代謝異常を軒並み改善し,真に糖尿病が“治る”ケースが散見されるようになりました。第4版の本書がそのような薬剤の影響を色濃く受けた内容になっているのは当然の結果ですが,日常臨床で活用して頂くことによりそのあたりを感じ取って頂けますと幸甚です。
糖尿病治療薬は,その作用機序が不明ながら期待値の高いイメグリミンや2024年には登場予定の週1回注射の基礎インスリンなど,興味深いものが目白押しです。読者の皆様にはこの『糖尿病治療薬最新メソッド』第4版がまた次に繋がるように厳しいご評価を是非ともお願いしたいと思います。
2023年11月
東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野 弘世貴久