日本老年医学会は4日『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン(GL)2015』の完成を発表した。高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬剤と、開始を考慮するべき薬剤のリストを提示している。
GLは高齢者薬物療法の安全性を高めるため、2005年に作成。今回は10年ぶりの全面改訂となる。総論部分のみが学会サイトで公開されており、領域ごとの指針を含むGL全体は12月に刊行予定。
今年4月に公表されたGL案では、中止を考慮するべき薬剤リストを「ストップ」、推奨される薬剤リストを「スタート」としていた。
しかし、パブリックコメントで「ストップ」を投与禁止の薬剤と誤解した意見が多く寄せられたことから、「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」「開始を考慮するべき薬物のリスト」に名称変更し、両者を合わせて「高齢者の処方適正化スクリーニングツール」とした。
各論部分では新たに(1)腎疾患、(2)筋・骨格疾患、(3)在宅医療、(4)介護施設の医療、(5)薬剤師の役割─の5領域が設けられた。