尿道狭窄症は,軽症例を除いて,成功率の低い内尿道切開術(direct vision internal urethrotomy:DVIU)や尿道ブジーなどの経尿道的治療よりも,成功率の高い尿道形成術で治療することが理想的である。しかし,尿道形成術は経尿道的治療よりも技術的に難しく,多くの泌尿器科医にとって馴染みが薄いというのが現状である。このため,どの施設や医師が,尿道形成術を行うべきかが重要な課題となる。
尿道形成術の成功率に関する研究では,手術経験の蓄積が成功率向上に寄与することが示されている。例として,Hoareらは,15年にわたる単一術者の成功率が経時的に向上したと報告しており,HoriguchiらやEkerhultらの研究でも同様の結果が示されている1)〜3)。経験豊富な医師が手術を行うことが推奨され,経験の少ない医師は専門的な施設に患者を紹介することが望ましいとされている。合併症に関する統一した評価はなかったが,手術経験の増加とともに合併症が減少する傾向がみられる。
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