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医学部定員と偏在対策の議論始まる [厚労省分科会]

No.4782 (2015年12月19日発行) P.11

登録日: 2015-12-19

最終更新日: 2016-11-25

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厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の下に設置された「医師需給分科会」は10日、今後の医学部定員や地域間・診療科間の偏在対策などについて検討を始めた。
医学部の臨時定員増の一部が2017年度で終わることを踏まえたもので、都道府県が17年度に策定する第7次医療計画に具体策を盛り込めるよう、来年末までに結論をまとめる。
日本の1000人当たりの臨床医数は2.3人(2012年)でOECD平均(2.8人)以下だが、医学部定員が07年度の7625人から16年度の9262人まで計1637人増員されたため、25年までにOECD平均に達するとの推計がある。
同日の会合では、小森貴構成員(日本医師会)が「人口減少を医師養成数に反映する必要がある」と指摘。北村聖構成員(東大医学教育国際研究センター)は、「定員増で医師の“粗製濫造”が進んだ。即戦力として使える医師を育てるには、高度医療の大学病院より地域での研修が望ましいが、現状では受け入れ先を確保できない」とし、定員減を主張した。
荒川哲男構成員(全国医学部長病院長会議)は、「統計上では医師数の多い地域でも医師を確保できずに閉鎖される病院がある」と述べ、医師確保、偏在対策を考える上で、「地域枠」の有効性や紹介業者の実態を調べる必要があるとの考えを示した。


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