日本循環器学会(小川久雄代表理事)は19日、学術集会開催中の仙台市で会見し、学会が主導する循環器疾患診療実態調査(JRO
AD)の2015年度調査(14年1~12月)の結果を公表した。全国の急性心筋梗塞入院患者数は6万8850例、心不全入院患者数は23万8840例であることが明らかとなった。
対象施設は循環器科・心臓血管外科を標榜する2544施設で、1506施設が回答。ただ、循環器専門医研修施設(約1300施設)の回答率は100%であるため、学会では全国レベルのデータの価値があると説明する。
JROAD事務局長の安田聡氏は、「循環器医療の必要性と供給の両面から、疾病と診療の動向を把握できる」とJROADの意義を強調するとともに、心不全入院患者数について「驚くべきデータ。今後の大きな治療ターゲット」との見通しを示した。
学会では診療実態の可視化によって、医療の質の向上を期待。さらに、医療圏ごとの診療実態も分かるため、各施設の特徴を踏まえた拠点化などの施策にデータを反映させることも可能だとしている。