医療機関の消費税負担について検討する厚生労働省の診療報酬専門組織の分科会は3月30日、来年4月に予定される消費税率引上げに際し、従来通り診療報酬への上乗せで対応する場合の方針について議論した。
消費税率引上げへの対応を巡っては、日本医師会がこのほど非課税還付制度の創設を提言したが結論は出ていない。そこで分科会では従来の手法に基づく場合の進め方について検討。薬価調査・特定保険医療材料価格調査については、白川修二委員(健保連)が過去2回の税率引上げ時同様、「市場実勢価格を把握した上で、2%上乗せしなければ患者に無用な負担を強いることになる」と強調。今村聡委員(日医)は薬価などの下落傾向は把握できるとし、「改定年度でないので、実施しなくてもいいのではないか」との考えを示した。
医療経済実態調査については、厚労省が2013、15年度の費用構造に変化がなく、どちらの課税経費率を用いて10%引上げ時の改定率を試算した場合も同じ改定率(0.91%)となることを説明。これを受け、調査を実施しない方向で委員の意見は概ね一致した。この議論を踏まえ、中医協で方針を決定する。
同日はこのほか、入院基本料別の補填状況(表)が示された。7対1は補填率100%を超えたが、その他では補填不足であることが明らかとなった。