株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

ネパールでの出会い [プラタナス]

No.4760 (2015年07月18日発行) P.3

横江正道 (名古屋第二赤十字病院総合内科部長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-15

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 2015年4月25日に発生したネパール地震では約8700名の命が失われたと報道された。ネパールでは80年に一度、大きな地震が起こるとされているそうだが、今回は過去最大とのことで数々の歴史的遺産も倒壊した。折しも、私は日本赤十字社の基礎保健ERU(Basic Health Care Emergency Response Unit)の初動班の一員として、ネパールへ派遣されることになった。もちろんネパールに行くのは初めてで、エベレスト登山の入り口といったイメージしか持っていなかった。

    4月30日に日本を発ち、5月1日にカトマンズ空港に降り立った。空港ターミナルは各国のNGOなどでごった返していた。我々日本赤十字社のチームはすでに先遣隊がカトマンズ入りしており、ネパール保健省と国際赤十字・赤新月社連盟との話し合いにより、被害が大きかったシンデュルパルチョーク郡メラムチ村診療所を支援することが決まっていた。翌2日に初動班全員がそろい、メラムチ村に向かった。

    車で走ること2時間半。メラムチ村に近づけば近づくほど、建物の倒壊・全壊、がけ崩れや落石なども多く見ることになった。患者で溢れ返る診療所に到着した我々医療チームは、早速診療を開始した。落石や建物の倒壊で頭部や四肢に重篤な外傷を負った人が多く、中にはすでに縫合されている人もいたが、皮下に膿瘍を生じていそうな患者も多かった。

    残り438文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top