株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

気仙沼のOさん [プラタナス]

No.4767 (2015年09月05日発行) P.3

古屋 聡 (山梨市立牧丘病院院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-13

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • Oさんに初めて会ったのは、2012年の春だったと思う。

    筆者は2011年3月以降、方法や立場を変えながら、定期的に宮城県気仙沼市を訪れて支援活動を行ってきた。現在は気仙沼市立本吉病院の非常勤医師として、仮設住宅や新しくできた復興住宅でも訪問診療や健康相談活動を続けている。

    Oさんは、県外にいるとき交通事故で重篤な脳損傷を受けて現地の急性期病院に入院、意識障害が遷延して気仙沼市内の病院に転院。その後、意識障害からは何とか回復して、やがて経口摂取も可能になったが、長期間寝たきり状態となっていた。そして、東日本大震災で被災、避難所は山の中腹の体育館だった。その後、川のほとりに建てられた仮設住宅に住み、市内の医師の訪問診療を受けていた。介護保険による規定の訪問看護を受けていたが、避難所でのつながりから、たまたま気仙沼で支援活動をしていたボランティアナース「キャンナス」の看護師の訪問を受けたり、face to face(FTF)の支援によりリハ専門医や理学療法士の訪問による評価と訓練を受け、その指示に基づいた画期的な手すりが設置され、なんと室内歩行の練習が可能な状態になった。

    残り521文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top