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遺品整理業者への生前家財整理業務の依頼

No.4724 (2014年11月08日発行) P.58

小根英人 (一般社団法人遺品整理士認定協会副理事長)

登録日: 2014-11-08

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

「遺品整理人」と言われる故人の遺品整理を請け負う業者があるが,生前でも介護施設入居時などに,本人や親族が整理不能な場合に家財一切の整理を請け負うと聞く。どこまで依頼でき,費用はどのくらいか。また,業者選びの方法は。 (東京都 H)

【A】

まず,ご質問の生前の家財整理は,単なる荷物の移動や一括処理清掃を行う業者ではなく,あくまでも依頼主の意向に沿って選別し,整理整頓を行う業者によって行われる。
高齢のため施設入居時に家財の整理ができない,家族がいながら遠方で整理の時間が取れない人などに利用されている。以下,ご質問の3点に関して,簡単にお答えする。

[1]家財整理の対応範囲
多くの遺品整理業者は,家財すべてに関して,手元に残す,廃棄,買い取りなどの希望に合わせ,整理整頓まで対応する。

[2]費用の見積もり方法
生前家財整理は,本人の意思を尊重して整理を行う。費用は,遺品整理よりは低価格である。ただし,費用算定は整理依頼案件の面積・重量に応じての所要時間・要員,不要品の処分費用から見積もられるため,案件が広範囲・大量な場合は,費用がかさむことになる。また,具体的な費用に関しては,人件費や廃棄物処理費用の地域差,作業依頼内容により差異があるため,本稿での提示は難しい。

[3]業者選びの方法
現在,遺品整理業(生前家財整理を含む)は参入業者が急増している。半面,遺品の不法投棄や,高齢者への不当な高額請求などの問題も噴出し,業界の健全化が望まれている。
遺品整理士認定協会(北海道千歳市,0123-42-0528)は,行政,民間団体と連携し,「遺品整理士資格」認定(ガイドラインの制定・法令遵守徹底)により,遺品整理業界の健全化を図るため設立された。業者選びの折には,「遺品整理士資格」を有する協会認定優良企業(332社)の利用を勧める。なお,当協会の業者紹介サービス(無料)も利用可能である。万一,資格確認が不能な場合は,最低限,以下を確認する。
(1)見積書の詳細説明(個々の作業別価格設定説明)
(2)廃棄方法の説明(最終処分証明書の発行など)
(3)遺品(生前家財整理の場合は保管品)の取り扱い方法の説明に不明確な点はないか。分類方法,現金・貴金属に関する対応,作業工程写真提出の有無など
遺品整理業(生前家財整理を含む)は,専門的な知識と依頼主個々の人生への配慮ができる人材が担うもので,その対応が可能な者が「遺品整理士」であると考える。ゆえに,生前家財整理においても,同様な配慮が可能な業者選びを勧めたい。

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