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皮膚科膠原病外来から [プラタナス]

No.4771 (2015年10月03日発行) P.3

衛藤 光 (聖路加国際病院皮膚科元部長・診療教育アドバイザー)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-10

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  • 専門外来を選択するに当たって、受け持ち患者に膠原病が多かったこともあり、迷わず膠原病外来に参加した。当時、西山茂夫教授に言われたことは、「受け持ちになったら一生その患者と付き合うつもりで診療しなさい」ということであった。大学を離れていくつかの市中病院や聖路加国際病院に赴任してからも、可能な限り膠原病外来に関わり、この春、定年退職を機に38年間関わってきた北里大学皮膚科膠原病外来を退いた。この間、長年診てきた患者の多くが元気に通院してくれたのは嬉しいことである。

    その中の1人に、2歳時に受け持った皮膚筋炎の患者がいる(写真は3歳時)。彼女は生後1歳6カ月で皮膚症状を発症し、筋炎も伴ったためプレドニゾロン(PSL)20 mg/日(体重10.7kg)から治療を開始した。初期治療への初期反応は良好であったがPSL 12mg/日以下への減量が困難であり、10歳時には病勢増悪によりシクロホスファミドの併用を開始した。1980年当時はまだパルス療法や静注治療は一般的ではなく、年単位の経口投与となった。やがて病勢が落ち着きシクロホスファミドを中止し、PSL 10mg/日前後でコントロールできるようになった。その後も症状は常に安定していたわけではないが、大きな消長なく経過した。

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