BCGワクチンは、もっとも古いワクチンのひとつである。1948年に皮内接種法で開始されたが、潰瘍形成など副反応が強く1951年に中止された。その後、現在に通ずる管針法で1954年に再開された。1965年に実用化された東京株BCGにより1967年からは現在の管針法が定着した。その後、器具の改良や接種料金の改定が進み、2005年にツベルクリンの事前検査が廃止となり、2007年に結核予防法から予防接種法へと移管され、その都度接種年齢や考え方の改定がなされた。2013年に、1歳未満(推奨は5~8カ月)の接種は1回法とされた。しかし、いまだに大学の医学教育や医師会の研修会でも、きちんとしたBCG液の調製方法やBCGの接種技術方法の説明が尽くされているとは到底思えない。BCGの個別接種が普及することはよいことではあるが、それに伴ってとんでもない接種方法や接種痕に遭遇する機会が増えてきた。
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