【Q】
抗AGEs作用があると言われるカルニチンについて教えて下さい。 (東京都 S)【A】
糖質は生命の重要なエネルギー源ですが,生体の蛋白質と非酵素的に反応して,その活性や物性を大きく変化させる性質も持ち合わせています。この蛋白質の糖化反応(glycation)は,グルコースなどの還元糖のカルボニル基が蛋白質のアミノ基と反応してアマドリ化合物が生成される前期反応と,酸化や脱水などの不可逆的な後期反応にわけられます。最終的に生成した物質は総称して終末糖化産物(advanced glycation end products:AGEs)と呼ばれ,糖尿病を代表とする様々な疾患の発症や進展に深く関わるとされています。AGEsを除去するために特異的な結合アプタマー治療薬が開発されているものの,蓄積したAGEsを減らすことは難しいので,AGEsの生成を予防する必要があります。
1) Furuichi Y, et al:J Phys Fitness Sports Med. 2014;3(2):163-8.
2) Rajasekar P, et al:Acta Diabetol. 2007;44(2):83-90.
3) Fukami K, et al:Rejuvenation Res. 2013;16(6):460-6.