No.4797 (2016年04月02日発行) P.16
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-01-26
准看護師の生涯教育研修体制の充実を目的とする「日本准看護師連絡協議会」(准看協)の設立総会が3月4日、都内で開催された。
准看協は日本医師会、四病院団体協議会が支援し、昨年11月に設立。会長は准看護師の滝田浩一氏が務め、賛助会員は今年3月現在、団体433件、個人187件となっている。
設立総会には厚生労働省の神田裕二医政局長も出席し「2025年に向け、准看護師を含めた看護職の確保が重要な課題」という塩崎恭久厚労相からの祝辞を代読。安倍晋三首相からも「本協議会の設立はこれからの医療にとって誠に心強いもの」というメッセージが寄せられた。来賓挨拶には国会議員も登壇し、木村義雄参院議員が「(これまでは)どこかの団体が准看護師をなくしてしまえと追い込んできた」と述べる場面もあった。
准看護師は就業している看護師・准看護師計約150万6000人のうち、約24%に当たる約36万4000人を占める(図1、2014年現在)。就業場所は看護師に比べ、診療所や介護施設の割合が高い(図2)。
准看護師制度を巡る議論が国政レベルで行われたのは、1996年に提言をまとめた厚生省(当時)の「准看護婦問題調査検討会」に遡る。
同検討会報告書は「21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努める」と提言した上で、「このために、国において広く関係者と十分な協議を重ねながら具体的な検討を行うべき」としている。准看護師の養成停止を決めたものとも、養成継続を当面認めたものとも受け取れる内容だ。当時、日医は養成停止の決定ではないと解釈し、養成の継続を表明。
神奈川県の黒岩祐治知事が2012年に准看護師養成停止の方針を打ち出した際には、日医はその後の「具体的な検討」(准看護師教育の充実や通信制の移行教育の導入)や、当時指摘されていた准看護師養成所の運営を巡る問題への対応(医療機関での勤務義務付けの禁止など)で、准看護師養成の問題は解決したという見解を示している。
図1 看護師・准看護師の就業者数
図2 看護師・准看護師の就業場所(2014年) (厚労省資料を基に作成)
残り1,340文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する