1982年、クライバーはミュンヘンの国立劇場で行った大指揮者カール・ベームの追悼演奏会において、バイエルン国立管弦楽団を指揮してベートーヴェンの交響曲第4番と7番を演奏した。写真は第4番のライブ録音盤(ORFEO D’OR/King International、2011年発売)
幼い頃、かなりの悪童だった。困り果てた父親(大学時代に弦楽四重奏の第2バイオリンを弾いていた)から、少しはおとなしくなるかとバイオリンを習うよう命じられた。嫌々続けたが、頼み込んでバイオリン教室をやめる時、教師から「君の10年間はほかの人の1年分だったね」と言われたことは今でも覚えている。
バイオリンは少しもうまくならなかったけれど、音楽を聴くのは好きになった。最初は父親の大切にしていたLP盤の中からバイオリン曲を選んで、「パールマンの音色は、どうしてあんなに明るいのだろう(ポリオに罹患し下半身は不自由だったのに)」などと思いながら聴いていたが、徐々に交響曲も聴くようになった。
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