自民・公明両党の厚生労働部会は15日にそれぞれ会合を開き、2017年度予算編成において焦点となっている医療保険関係の制度改正案を了承した。
厚生労働省は15日の自公両党の部会に対し、①高額療養費制度の見直し、②後期高齢者の保険料軽減特例の段階的廃止、③入院時の光熱水費の患者負担導入、④高額薬剤への対応―を柱とする医療保険関係の制度改正案を提示。介護保険関係の制度改正案と合わせることで、社会保障費のいわゆる「自然増」を5000億円程度に抑えられると説明した。
高額療養費制度の見直しを巡って厚労省は、70歳以上の自己負担上限額について、2017年8月と18年8月の2段階で見直しを行う方針を提示。
外来医療費の負担上限額については、年収370万円未満の一般区分では現行の外来特例を維持しつつ、来年8月に1万4000円、18年8月に1万8000円に引き上げるとともに、年間上限(14万4000円)を新設。年収370万円以上の現役並み区分では、来年8月に5万7600円に引き上げ、18年8月に区分を細分化した上で特例を廃止する。
住民税非課税の低所得者の負担上限額は据え置きとする。
厚労省は今月上旬、一般区分の外来特例廃止や低所得者の負担上限額の引上げを含む見直し案を自公両党に提示したが、自民党からは負担上限額が2倍以上になる者が出ることに慎重論が相次ぎ、公明党も強く反発。政府・与党と調整した結果、低・中所得者の急激な負担増を避ける形で落ち着いた。15日の自公両党の会合では、制度改正案に大きな異論は出なかった。
政府は22日にも、医療保険制度改革を含む17年度予算案を閣議決定する予定。